固定価格買取制度(FIT制度)が施行されて10年が過ぎ、初期に太陽光発電を購入した人の中には、償却が済んだために現金化を望む人も多く、そのため産業用太陽光発電は中古市場が賑わっているといいます。太陽光発電所の売却は多くが業者に依頼をしますが、売却にあたって売却方法、高く売却するポイントを知っていた方がよいでしょう。

太陽光発電所の売却には大きくわけて2通りの方法があります。ひとつは広く買主を探して売却する方法です。この場合、業者の査定額を基に売却価格を決めて広告を行い、買主を探していきます。広告を出してすぐに売却できる場合もありますが、売却価格や発電所の設備や状態などによっては売却するのに時間がかかる場合があります。

もうひとつは太陽光発電所の買取を専門とする業者に発電所を売却する方法です。この場合、すぐに売却することができますが、その分売却価格は下がってしまいます。少しでも高く売却したい場合は早めに売却を決めて、時間に余裕がある状態で売却するようにしましょう。時間の余裕があっても売却額をあまり高めに設定してしまうと、買主を見付けることが難しくなる場合があるため、査定額を基にして妥当な金額設定を行うことも大事です。

発電所の売却には、早いもので三か月くらい、通常は三か月から半年くらいかかるといわれていますが、価格を高めに設定してしまうと、売却に半年以上かかってしまう場合があるようです。

発電所の査定は発電実績値やＦＩＴ単価、発電所の状態によって決まるため、少しでも高く売却したい場合は、売却にあたってメメンテナンスを行うようにしましょう。発電所の設備等に故障や問題があれば、発電所を購入してもそれだけ稼働開始時期が遅くなってしまいます。買手が融資を受けて発電所を購入する場合、購入してから稼働するまでの間にも利息が発生しますから、稼働開始時期が早ければ早いほど、プラス評価となります。

なお、メンテナンスも売買にあたって行うのではなく、日ごろから定期的に行っていると、故障個所など早めの修理ができるため費用も小さくなります。メンテンスや修理を行ったら、その履歴情報を保存しておくことも大事です。メンテンスや修理の履歴情報は発電所の信頼度を高め、売却価格にも有利になるため、保管しておきましょう。

そのほか、必須ではありませんが、監視装置や防草シートなどの備品が付属しているとプラス評価になる場合があるため、売却にあたって取り除かずに、そのままにしておいても良いでしょう。